桜について・ソメイヨシノの背景②
違う品種の桜
前稿でソメイヨシノの品種としての特徴を書いた。きれいなものはきれいで、それで良いではないかと言われそうだが、日本の「花」になった理由はそれなりに理由があるのである。偶然の産物ではなく、作り出した人もしっかり「花」のイメージを描いて、品種を生み出したと思う。
①その画一性について
ソメイヨシノは作られた品種で、どの木も同じ性質を持つ。なので、同じ花が咲き揃う。これは挿し木によるものだが、どうもそのやや画一的な揃った姿が、日本人に好まれたようにも思われる。
この国は教育、仕事、芸能界のダンスグループなど、揃うことに美を感じる傾向がある。そこにソメイヨシノがはまった。桜並木として植えられ、その美しさが際立つようになった。
②ソメイヨシノは美しい。ただ、気になる点もある。
書いてきたように、「集団の様式美」がソメイヨシノの美しさを際立つものにしている。ただ、その歴史は浅く、古代の桜は違う「花」である。
ソメイヨシノではない、街中に一本で咲いている別種の桜は目を向ける人は少ないかも知れない。ただ、種子が芽生えて生えてきた桜には生命力を感じる。これは「個の美」だろう。
③理屈はいらないが、考えても良いかも知れない。
桜を観るときに、あれこれ考えながら観るのは興醒めだろう。観るときは、何も考えないで観るのが良いだろう。
ただ、家に帰ったときにふと思うのが良い、その程度の話である。観るときはゆっくり五感に感じるように観ると良いと思う。
以上、長々と書いて見ました。
皆様のお気に入りの桜はもう花開いたでしょうか?
まるてつ