追記〜松戸駅東口にて〜
人通りが多い東口のちょうど屋根の切れ目あたりの下に、行商のおばあさんが座っていた。
何を売っていたのか迄は見なかったが、
平成が終わろうとしている今でも、現役で働いているその姿に、深い敬意を覚えた。
『まだまだおまえさんは若造だよ』と無言のおばあさんのただ住まいが、その時間の流れを感じさせた。
成田辺りの冷たい冬だろうか。
筑波下ろしの吹く平野だろうか。
いずれにせよ、『私などはまだまだ頑張らなきゃ』と、誰に言うのでもなく、
背筋を伸ばす気持ちにさせられた。
そしてそのおばあさんのように、
年月を伴う風格が自分には付くのだろうか、いや、付かないだろうなと
思わされた。
行く道の傍らにふとそのような行商のおばあさんが座っているのを見て、
自分の知らない世界や時間が過ぎて行く、ふと、そんなことを感じさせる一時であった。