美味しい野菜って、どんな味？

(美味しい野菜①)

福祉施設で元気に支援員をしていた時の話だ。

支援の一環で園内に畑を作り、野菜を育てていた。

　花壇と言っても良いぐらいの広さだったが、狭くても結構数種類は植えられ、楽しめたものだった。

ところで、その時はいくらか知識も積んでいたので、無農薬、無肥料として、畝の脇に付近の公園で集めた落ち葉と、収穫後の枯れ茎や雑草を戻すのみとしていた。

　自然の土のあり方に戻したかったからである。

　ひたすら、外の公園の落ち葉を集め、畝に入れ、通路に撒いた。雑草は天地をひっくり返し、踏むままとした。

そこでは決して多くの量は取れなかったが、種子を蒔くと一通り育った。

　一度、ほうれん草の味を褒められて、野菜を育てている人から、品種は何かと聞かれたこともあったが、その時は「アトラス」と言う普通にホームセンターで売っていた種を使った。

　カブ、ニンジン、キュウリ、ミニトマト、ジャガイモなどを植えたが、全て普通の品種を使った。落ち葉で育てた野菜は苦味やクドさが無く、野菜そのものの味がした。

ジャガイモはシンジャガでも、実がしまり、２つをぶつけると、しっかり固さを感じられた。

ジャガイモは下手に肥料を使わないと、身がしまり、気持ち悪くブヨブヨしない。

　落ち葉で作った野菜は色が淡い。ただその姿形はとても良い。そして、野菜の一つ一つがそれぞれの持つ味を放つ。

特に生で食べた小カブの美味しさと言ったら！

形が良いのは、植物の細胞が正常に育つからだ。自然ときれいな姿形になる。

　他の人のやり方にあれこれ言いたい訳ではなく、また野菜作りができるなら、落ち葉と畑の残り物を入れ、雑草も戻す。それをやりたいと思っている。